
葬儀は、故人の最期を見送る大切な儀式であり、そのときは突然やってきます。あわてないためには、葬儀の基本的な流れを事前に理解しておくことが大切です。この記事では、通夜から告別式、火葬、納骨までの一般的な進行や、葬儀後の各種手続きや法要までわかりやすく解説しているので参考にしてください。
ご逝去から葬儀までの準備の流れ
悲しみの中であっても、遺族は限られた時間の中で準備しなければなりません。通夜や葬儀といった儀式を滞りなく進めるためには、段取りを事前に把握しておくことが重要です。亡くなった直後
病院で亡くなった場合は、看護師が死後処置を行い、遺体をきれいに整えてくれます。一方、自宅で亡くなった場合や急死などのケースでは、警察への連絡が必要になる場合もあります。判断に迷ったときは、迷わず葬儀社に連絡を取ることが大切です。その後、親族へ連絡し、葬儀社を選びましょう。並行して、医師から「死亡診断書」を受け取ります。
葬儀の打ち合わせ
喪主を決定し、受付や会計など、当日必要な役割分担も決めておきます。日程は、火葬場の空き状況や親族の都合を考慮しながら調整されます。また、遺影の写真や供花や供物が必要です。これらも葬儀社が一括で手配してくれるケースが多く、宗教形式や式場に合わせた提案を受けられる場合があります。納棺
遺体に白装束を着せ、棺に納めます。このとき、故人が愛用していた品や思い出の品を入れることもあります。ただし、火葬が前提となるため、燃やせないものは避けましょう。通夜・告別式の一連の流れと当日の過ごし方
ここでは、通夜・告別式の一般的な進行や、当日の過ごし方、注意すべきマナーについて紹介します。通夜は、故人が亡くなった翌日に執り行うことが多いですが、火葬場や式場の状況などによって日程は前後します。通夜式場到着
遺族は、開始2時間ほど前に式場へ到着し、供花や供物、弔電の内容を確認します。あいさつや返礼品の用意にも関わるため、誰からのものかを把握しておくことが重要です。また、返礼品の数を確認し、足りない場合は葬儀社に追加を依頼することもあります。喪主は、このタイミングであいさつ文を準備しておくと安心です。受付
受付は、通夜開始の30分前から設けられます。喪主や遺族が参列者を迎え、感謝の気持ちを伝えるのが通例です。20分前には喪主・遺族はそれぞれ着席し、式の開始に備えます。通夜開始
まず僧侶が入場し、司会者が開式を宣言します。続いて読経が行われ、焼香が実施されます。順番は喪主、遺族、そして一般参列者です。宗派によって作法は異なるため、不安な場合は事前に葬儀社へ確認しておくとよいでしょう。弔電紹介・喪主あいさつ
弔電が寄せられている場合は、司会者が紹介します。続いて、喪主があいさつを実施します。参列者への感謝の言葉などを述べることが多いです。通夜振る舞い
参列者への感謝の気持ちを込めた食事の席で、和やかな雰囲気の中で故人を偲びます。所要時間は1時間ほどで、最後に喪主が締めのあいさつをして終了します。棺守り
遺族は、灯明と線香の火を絶やさぬよう、棺のそばに寄り添います。式場到着
通夜の翌日は告別式です。開始の1時間前には会場に入り、受付や式場内の準備を整えます。30分前には受付を開け、遺族は15分前までには着席して式に臨みます。告別式開始
僧侶の読経に続いて、弔辞や弔電が紹介され、僧侶、喪主、遺族、参列者の順で焼香が実施されます。故人の周囲を生花で飾り、遺族が最後の別れを告げたあとは、全員で棺を寝台車まで運び出し、出棺となります。火葬の流れ
火葬場では「納めの式」が執り行われ、僧侶が同行していれば再び読経が実施されます。火葬にかかる時間はおよそ1時間前後で、その間、遺族は控室で待機します。火葬後は、二人一組で箸を使って遺骨を骨壺に納める「骨上げ」が実施されますが、作法の違いがあるため、案内に従うことが大切です。骨壺と「火・埋葬許可証」を受け取って式は終了します。