葬儀にかかる費用がなぜ高くなるのか、不安や疑問を感じている人も多いのではないでしょうか。葬儀には多くの準備や手配が必要で、費用の内訳も複雑です。この記事では、葬儀費用の内訳や平均相場、費用がかかる理由を詳しく解説します。また、費用を抑えるための方法についても具体的に紹介しますので、参考にしてください。
葬儀の平均費用について
2024年に実施されたアンケート調査によると、日本における葬儀の平均費用は約118万5000円という結果が出ています。この金額には、葬儀基本料金のほか、飲食にかかる費用や返礼品の費用も含まれています。内訳としては、基本料金が約75万7000円、飲食費が約20万7000円、返礼品費が約22万円です。また葬儀の形式によって費用には大きな差があり、一般葬は約161万3000円、家族葬は約105万7000円、一日葬は約87万5000円、直葬は約42万8000円となっています。
近年は小規模な葬儀が増加しており、全体的に費用は下がる傾向にあります。
葬儀の費用の内訳
葬儀には多くの費用がかかりますが、費用が複数の項目に分かれていることが要因です。葬儀費用の主な内訳と、項目ごとの金額について紹介します。式場使用料と祭壇費用
葬儀の中で最も大きな支出となるのが、式場の利用料と祭壇の設営にかかる費用です。式場使用料は斎場の種類によって異なり、民間や寺院の利用で10万〜20万円程度が一般的です。祭壇については規模や様式に応じて金額が変動し、30万〜120万円ほどかかる場合もあります。祭壇の設営にはレンタル費や装飾費、人件費なども含まれており、最終的な金額は依頼する葬儀社やプラン内容によって大きく変わります。
火葬費用
葬儀後の火葬に必要な費用は、利用する火葬場の運営主体によって差があります。自治体が運営する公営火葬場なら無料〜6万円程度で済む場合もありますが、民間の火葬場では5万〜10万円程度かかるのが一般的です。火葬料が葬儀プランに含まれている場合もありますが、別途請求となるケースもあるため、事前に確認することが重要です。
飲食接待費
通夜や葬儀後に参列者に提供する食事や飲み物にも費用がかかります。通夜振る舞いは1人2,000〜3,000円、精進落としは4,000〜5,000円が目安です。人数によって費用が大きく変動するため、事前の見積もりが大切です。お茶や軽食の提供もこの費用に含まれます。参列者の人数が多くなるほど接待費用も増えていくため、予算とのバランスを見ながら内容を調整することが大切です。
返礼品
参列者への返礼品は、会葬御礼と香典返しの2種類があります。会葬御礼は、ハンカチやお菓子など、1人あたり500〜1,000円が一般的です。香典返しは受け取った金額の3分の1〜半額程度の品物を贈るのが一般的です。これらの費用は参列者の数や香典の金額によって変動しますが、全国平均では返礼品だけで総額20万円以上かかっているとのデータもあります。
寺院へのお礼
仏式で葬儀を行う場合、僧侶に対して読経や戒名授与を依頼するために謝礼を渡すのが一般的です。お布施の金額は、地域や寺院、戒名の位によっても異なりますが、目安としては読経料が5万円〜10万円、戒名料が15万円〜20万円程度とされています。さらに交通費として5,000円〜1万円、会食を辞退された場合には御膳料として同程度の金額を包むのが一般的です。寺院に支払う費用は、合計で20万円台後半〜40万円を超えることもあり、お布施の全国平均は42万5,000円前後と報告されています。
葬儀費用を抑えるコツはある？
家族の最期をしっかり見送るためには、心の準備だけでなく費用面も考える必要があります。葬儀にはお金がかかりますが、事前に情報を集めておくことで出費を抑えることも可能です。葬儀費用の負担を軽減させるためのコツを紹介します。自治体の低価格プランを利用
地域によっては、自治体が定めた定額料金で葬儀を行える公的な葬儀プランが用意されています。地域の住民が利用できるもので、地元の葬儀社と自治体が提携して実施されます。あらかじめ料金が決まっているため、民間の一般的な葬儀よりも費用を抑えやすいのが特徴です。
公的扶助制度を利用
葬儀費用の支払いが難しいときは、生活保護制度の一部である葬祭扶助を利用できる可能性があります。葬祭扶助は経済的に困っている人のために、自治体が必要最低限の葬儀費用を支給する制度です。遺族が生活保護を受けている場合や、故人に身寄りがなく他の人が葬儀を行う場合などに適用されます。
格安葬儀社を利用
最近では、費用を抑えた葬儀を望む人が増えており、低価格の葬儀プランを扱う葬儀社も多く見られます。インターネットでも定額料金をうたうプランが数多く紹介されており、費用面での不安を軽減できます。格安葬儀社は、必要なサービスだけをまとめたシンプルな内容を提供しているため、無駄がなく安い価格設定になっているのが特徴です。ただし、安くても質が悪いと後悔が残ってしまうため、料金だけで判断せずサービスの内容や対応のていねいさなども確認したうえで、信頼できる葬儀社を選びましょう。
